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Channel: 春夏秋冬 長崎発 とき燦々
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彼女は「うふふふ」と声を出して笑った。

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身近な人たちの心遣いをいただき、気持ちの良い夜となった。
家族二人の生活になって久しいが、記念日にはこうした時間を持つことで日常にない新鮮な気持ちで向き合える。
お互い少し他人行儀な言葉づかいで、日頃、家庭ではしない話題を持ち出して「あの頃」を演じてみると、その時間はあっという間に過ぎ去る。もう若くはない二人の知恵が生んだこうしたひと時の過ごし方が気に入っている。
最後に私が気取って感謝の気持ちを伝えると、彼女は「うふふふ」と声を出して笑った。
いい距離感だ。
今夜はもうひとつ思いがけない気配りをいただいた。お店のホール担当が私たちの会話から「誕生日」を察したのだろう、デザートに「Happy Birthday」のチョコプレートと一本のローソクが添えられて出された。
いつぞやも孫娘の幼稚園入園の折、このお店を訪ねたときも同じような気配りがあったことを思い出した。
こうしたさりげないやさしさは実にカッコいい。
このお店とはもう10年以上の付き合いになる。シェフもホールスタッフも変わったが、料理の腕と食べさせ方、そしてサービスの質をとても気に入っている。

帰宅すると届け物があった。毎年この日に同じものが届く。
彼女はこの手のプレゼントが私の一番のお気に入りだということ知っている。今年も私には選べない柄なのがうれしい。
その彼女からⅬINEメッセージが届いていた。孫娘たちの動画メッセージだ。お祝いの言葉がしっかり言える二人の成長ぶりをみて、つい笑顔になった。時は進んでいる。
また一つ年を重ねた。

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