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Channel: 春夏秋冬 長崎発 とき燦々
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私の思いと違った「わがまま」を言いそうな気がする

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88歳になる母は独居生活45年である。
脳幹部梗塞の後遺症である右片麻痺の症状を持ちながらの生活が8年目を迎えた。
読書好きの母のQOLは、子どもたちや孫家族が代わるがわる訪問して近況報告するのが大きな生きがいとなっていて、高く維持できているように思う。
読書の量は、ふんだんに自由時間があるので、私などは足元にも及ばない。
しかも老眼鏡など必要がない。とにかく活字好きなのだ。
しかし、読書する姿勢はどうしても顔を下に向けた形になるので、長時間の読書は老躯に相当負担になっていて、ときどきめまいの症状を訴えるようになった。
体力の低下も確実に進んでいる。
定期的に主治医の診察を受けていながら、今年6月、不注意からか肺炎で2週間の入院生活となってしまった。
この年齢での2週間の入院は、急激な筋力の衰えにつながることから、在宅生活復帰のためには機能訓練が欠かせない。
セラピストも退院に合わせて丁寧に身体を整えてくださったが、退院後、6日目には食事の準備中に転倒して右手首を骨折してしまった。
歩行力が入院前の状態にまで回復していなかったのかもしれないが、入院は肺炎によるものなので、その治癒をみての退院は当然だった。
骨折による入院は1か月以上に及んだが、在宅生活にスムーズに移れるように退院後、今度は、居宅介護サービスの短期入所療養介護のリハビリテーションサービスを2週間利用しての在宅復帰となった。
もちろんADLは自立とはいかないが、訪問介護や通所リハビリを利用しながら安定的な生活に戻った。QOLも期待通りのレベルになっていたようなのだが・・・
在宅復帰から約2か月、油断からか、昨日、またもや食事準備中の転倒で大腿部の骨折!
勤務中の私の携帯に着信アリ!となった。
救急搬送先に急いだ。今年に入って3度目の入院だ。
担当医からの手術に関する説明と術後の見通しを聴くと、母の今後の生活は大きく変わってしまいそうだ。
先日、あるきっかけで「親子」について思いを語る機会があり、母の優しさ、寛容さ、大きさを私のヒリヒリした15歳の思い出と重ね合わせてこれからの生き方に思いを馳せたばかりだった。奇遇だ。
まずは、手術の成功が第一だが、その後の彼女のQOLは、私の生き方と同質のものにしてあげたい。そう決意しているが、その母はこの私よりきっと大きい。
私の思いと違った、いかにも彼女らしい「わがまま」を言いそうな気がする。


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